「如己愛人」(にょこあいじん)
「己(おのれ)の如(ごと)く人を愛する」
私が今年、
長崎原爆資料館に訪れた際に、
最も印象に残ったのが、この書でした。
1945年8月9日
長崎市に投下された原子爆弾により
被爆され、最愛の奥様を失くしながらも、
被災者の救護活動を必死に行った
永井 隆博士の書。
博士は当時、
「医の本領は人間の魂を救うことにある。」と自覚し、
「魂こそ、人間の永遠の価値なのであるから、
患者の生命を救うことができなくても、 せめてその魂は救いたい。」と
(「永井隆博士の人生と長崎との出会い」から抜粋)
キリスト教を信教し、
治らない病気と言われていた結核を熱心に研究し、
自身が白血病なっても研究を続けておられました。
その矢先、原爆が落とされ、
本人も被爆され大怪我をし、
そして、最愛の妻を亡くしながらも、
「己を愛するごとく、隣人を愛する」=「如己愛人」の精神で、
自分が二度も意識不明になりながらも、
懸命に被爆者の手当を施され、
その後も、
自身が白血病で寝たきり状態になりながら、
恒久平和と隣人愛の精神を唱えつづけた
凄い御方でございます。
博士が残された書の一節で、
敵も愛しなさい。愛し愛し愛し抜いて、
こちらを憎むすきがないほど愛しなさい。
愛すれば愛される。
愛されたら、滅ぼされない。愛の世界には敵はない。
敵がなければ戦争も起こらない。
(「いとし子よ」より引用)
我々は、この様な状況に陥った時に
博士の様な、行動や考え方が
果たしてできるのでしょうか?
私は、この書に出会うまで、
博士の事を一切存じておりませんでした。
よく意味もわからない、書に強く惹かれたのは、
博士のとてつもない愛と平和を願うパワーが
その書から発せられていたからだと思っております。
世の為、人の為に、全力で使命を全うされた
博士の思いを、これからの人生に
活かして参りたいと思います。
そして、博士は、父として娘のカヤノさんに、
「カヤノが持つ大切なものを本当に必要としている人にあげなさい。
カヤノに必要なものは、カヤノが必要なときに、
神様がちゃんと与えてくれるから。」 と、伝えています。
私は、この言葉を読んで涙が込み上げてきました。
こんな愛に溢れた素敵な言葉をかけてあげられる、
親であり、人間でありたいと思いました。
お読みいただきまして、どうもありがとうございます。
永井 隆 博士
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髙木教夫 (金曜日, 07 4月 2023 16:53)
今自民党・公明党・日本維新が大軍拡を進め、今後5年間で43兆円もの防衛予算を立てている、この予算は,コロナ過で国民が四苦八苦している時、国民に50万円位を配り、今後の少子化対策に使うべきだ。永井博士は、命を懸けて被災者の看病に手を尽くした、今の政府がやっていることは、100年前の侵略戦争にいそんだことを、行おうとしている。