潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つこと。
京セラ名誉会長、日本航空CEOの稲盛和夫氏の言葉。
私は、心に描いた通りに、物事は成就すると考えております。
言い換えれば、「何としても目標を達成したい」という願望をどれくらい強く持つことができるかどうか、
これが成功の鍵となってくると考えています。
経営の課題に悩み、苦しむことは、経営者の常であり、懸案に没頭し、
寝ても覚めても四六時中、それだけを考え続けることができるかどうか、
これが事業の成否をわける分水嶺になるとも考えております。
「潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つ」ということを私は掲げています。
それは潜在意識を駆使するならば、
経営をさらに大きく伸ばすことができるからであります。
潜在意識とは何か。
人間には顕在意識と潜在意識があると言われています。
顕在意識とは今目覚めている意識のことをいい、
自在に駆使できるものですが、
潜在意識は通常は意識下に沈んで、表面には出てこない、
いわば自分の意のままにコントロールできない意識のことをいいます。
物事を繰り返すと、次第になれてきます。
顕在意識で繰り返すうちに、それが潜在意識に浸透し、
無意識のうちにも潜在意識が働くからです。
潜在意識を自在に活用するためには、
次の二通りの方法があると言われています。
一つは、衝撃的な印象を受けることであります。
死の直前になると、走馬灯のように昔のことを思い出すと言われています。
これは、潜在意識に蓄積されていた記憶が、
死という一大事に直面することによって、
顕在意識に直結して現れてくるわけです。
二つ目は、繰り返し経験することであります。
資金も設備も技術も人材も、
何もかもが乏しい創業期の京セラの中にあって、
私は年中、壮大な夢を従業員に語りかけておりました。
朝起きてから寝るまで、明けても暮れても四六時中考えるようにする、
そのような強く持続した願望は、潜在意識に入ってまいります。
繰り返し繰り返し、寝ても覚めても自分の願望を唱えていくうちに、
次第に従業員も、さらには自分自身も、いつのまにか、
願望を信じ始め、そのような目標の実現に向け、
努力を惜しまないようになっていきます。
目標が高ければ高いほど、それを実現して行くには、
強く持続した願望を抱き続けることが必要になってまいります。
ぜひ、経営者の方々は、目標を高く掲げ、その実現に向け、
強く持続した願望を持ち続けて頂きたいと思います。
(出典・・稲盛和夫 塾長講話 第98回)
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